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　小紅は良人となった栄佐と二人で縁に佇み、満開の桜を眺めている。ここは小紅の居間となっているが、元は当主の母瑞容院の住まいであった。瑞容院は用人佐竹源五郎が亡くなったその日、この屋敷を出ていった。一人息子の祝言には参列したものの、祝いの宴に連なることもなく別邸に戻り、現在もそこで暮らしている。