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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

「惜しい人を亡くしたものだ。私も隠居して跡を倅に託して悠々自適を決め込もうと思っていたのです。倅は何分、まだ商いのいろはも判らぬ若造ですから、難波屋さんにしっかりと後見して貰おうかと思っていたのですがね。寄り合いの長も引退を機に後任は難波屋さんを推そうと思っていたが、本当に思うに任せないものだ」

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