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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

 準平は番頭に向かって煙管(きせる)をふかしながら言った。
―あの女を俺に抱かせてくれたら、俺は難波屋に帰ってやっても良いぜ。
―あの女といいますと、小紅お嬢さまのことで?
―もちろん。俺が後にも先にもぞっこんで、欲しいのは小紅だけだからな。あいつを俺にの思いどおりにして良いのなら、ずっと店にいるさ。

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