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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第3章 【残り菊~小紅と碧天~】 旅立ち

 しかし、その後、準平という男のどうしようもない部分を次々と見せつけられるにつけ、小紅の気持ちは変わった。天地が逆さまになろうと、あんな男に付いてはゆけない。奇蹟でも起きない限り、あの馬鹿が真っ当に心を入れ替えるとは思えないし、仮に起きたとしても、いつのことになるか知れたものではない。
 何十年かかるか知れないのに、それまで、あんな男と一緒にいるのも振り回されるのもご免だった。

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