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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

 何もない長屋暮らしではあるが、小紅は少しずつ身の回りの品も揃えていこうと思っている。もちろん、家具など買うのはまだまだ先の話、とりあえず古い神棚を直して、使えるようにしたかった。
 しかし、手の届かない高い場所にあるので、直そうにも直せず難儀していた。そこに折良く栄佐が現れ、〝そんなことなら任せろ〟と気持ち良く引き受けてくれたというわけだ。

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