テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第4章 【残り菊~小紅と碧天~】 流星

「何があったかは訊かねえ。あいつを見たときのお前の怯え様、今の状態を見れば、どんな目に遭ったかは察しはつく」
「栄佐さん、私、まだ―、駄目なの。男の人に触れられるのが怖くて堪らないの。後生だから、放して」
 小紅が震えながら訴えると、栄佐はすぐに手を放してくれた。
「あの野郎、よほど酷いことをしたんだな。あん畜生、今度顔を見たら、叩きのめしてやる」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ