テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第5章 【残り菊~小紅と碧天~】 いちばん幸せな日

 小紅の身体に回された手にますます力がこもる。
「いやっ。誰か、来て。助けてっ」
 小紅は出来る限りの抵抗を試みる。と、冷たいものが頬に当てられ、ヒヤリとしたものが頬だけでなく身体中を駆け抜けた。
「おっと、今日はもう容赦はしねえぞ。抵抗すれば、その綺麗で可愛らしい顔に余計な傷がつく。それでも良いのか?」
 更に耳をねぶられながら、生暖かい吐息とともに言葉が注ぎ込まれる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ