テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第1章 【残り菊~小紅と碧天~】 始まりは雨

―いや! 止めないと、叔父さんに言いつけるよ。
 強い口調で抗議したのに、準平は手を止めるどころか、小さな胸を揉む手はますます力がこもる。
―おいら、もう少ししたら、おとっつぁんに言おうと思ってるんだ。小紅が好きだから、嫁さんにしたいって。
―馬鹿!
 小紅の渾身の力には敵わず、準平は後方に吹っ飛んだ。小紅は泣きながら大急ぎで鍵を外し、外に逃れ出た。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ