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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第6章 【残り菊~小紅と碧天~】 運命が動き出す瞬間

 栄佐の態度が丁重なところを見ると、爽良は先輩格なのだろうか。
 爽良はプッと吹き出した。
「お前らしいな。だが、体調管理も役者の大切な仕事の一つだぞ。気を付けろよ」
「へえ」
 栄佐は神妙に頷いた。
「おい、ところで、その可愛い娘は誰だ?」
「俺のコレですよ」
 と、小指を立てて意味深に片目を瞑って見せる。

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