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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第6章 【残り菊~小紅と碧天~】 運命が動き出す瞬間

「お前がそう言ってくれて良かったよ」
 栄佐は空から小紅に視線を戻し、微笑んだ。
 栄佐からすべてを聞かされた準平は泣いていたという。準平にしても、自分が武平の実の子ではなかったという事実は相当な衝撃だったようである。
 しかし、この荒療治が上手くいけば、準平は今度こそ心を入れかえてくれるのではないかという期待も持てた。
 栄佐が小紅を見つめた。

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