テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第7章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】

「ええ、親類で婚礼がありましてね、両親は揃ってそちらに出かけております。なので、私が代わってお相手するようにと言いつけられております」
「そうなのですか」
 小紅は頷き、手にしていた風呂敷包みを開いた。中から仕立て上げたばかりの晴れ着を出し、男の前に押しやる。
「お急ぎと聞いておりましたので、急いで仕立てさせて頂きました」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ