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　言ってしまってから、少し口調が強すぎたかと後悔した。何と言っても、京屋は今、仕事を回して貰っている雇い主でもあるのだ。あまりな物言いで市兵衛を怒らせてしまっては今後の仕事に支障が出ても困る。
　しかし、市兵衛はあっさりと引いた。
「判りました。それでは、私はここで失礼します。気を付けて帰って下さい。あ、それから」
　市兵衛は小紅を見つめると、また少し白い頬を紅くした。