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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第9章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 嫉妬

 栄佐の滾り切った熱棒は今、狭い隘路の中程までしか入っていなかった。しかし、既にここで止めたとしても小紅の純潔を取り戻してやれはしない。栄佐は自分が嫉妬に駆られたあまり、取り返しのつかない事態を招いたのを悟った。
 栄佐は躊躇を棄てるかのように小さく首を振り、ひと息に小紅の狭い隘路に彼自身を突き入れた。
「―!!」
 その労りの欠片もない挿入は小紅に信じられないほどの苦痛と激痛をもたらした。

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