
一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~
第9章 第一部・第二話【赤とんぼ~小紅と碧天~】 嫉妬
栄佐がとりなすように言うのへ、小紅は語気も鋭く言った。
「私は栄佐さんと祝言は挙げないわ。もう、男の人なんていや。誰も信じない」
小紅は投げ捨てるように言うなり、走り去った。栄佐はしばらく茫然とその場に立ち尽くしていたが、やがて、虚ろな視線が粗末な夜具に向けられた。
薄い褥の上で栄佐は小紅の無垢な身体をさんざん陵辱した。そのために、褥は寝乱れている。その上には真っ赤な血の花が咲いていた。栄佐のために小紅が流した血だ。
「私は栄佐さんと祝言は挙げないわ。もう、男の人なんていや。誰も信じない」
小紅は投げ捨てるように言うなり、走り去った。栄佐はしばらく茫然とその場に立ち尽くしていたが、やがて、虚ろな視線が粗末な夜具に向けられた。
薄い褥の上で栄佐は小紅の無垢な身体をさんざん陵辱した。そのために、褥は寝乱れている。その上には真っ赤な血の花が咲いていた。栄佐のために小紅が流した血だ。
