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　裏切ったのは小紅ではなく、栄佐の方ではないか！　
　そこで小紅は大きな溜息をついた。しかし、更に困ったことがある。それはこれほどまでに侮辱されながら、小紅がいまだにあの男に愛想が尽きていないことだ。
　男なら誰にでも媚を売り寝るような女だと思われ、怒りに任せて手籠めにした。そんな男を小紅はいまだに嫌いになれず、心は彼をどこかで求めている。栄佐が馬鹿なら、さしずめ自分は大馬鹿といったところだろう。