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心をあげる

第4章 あなたが欲しい

…結局私は

その一言を言えなかった。



そして、その泣き叫ぶ私を見て

リュカはただ綺麗な笑顔を向けるだけだ。



「泣かないで…マイカ。」



リュカの腕に包まれ眠る。

手を伸ばせば

すぐそこにリュカのきれいな顔。

なめらかな肌。

栗色のやわらかい髪。

…そしてリュカの匂い。



昔と何一つ変わらないのに

こんなに近くにいるのに

すごく遠いリュカ。

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