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心をあげる

第5章 あなたの言葉

お湯を溢れさせるままに泣いていると

リュカが突然入ってきて

お湯を止めた。

彼の中の何かが作動したんだろう。



でも、私が顔を背けていると

私が泣いていることにも気付かない。



そう…気付けないんだ。



リュカはリュカそのものに見える。

でも、自分と同じ姿のあの人が

用意した、あの愛情がこもったケーキを

見ても何も感じない。



狂ったように身体を重ねた日々を

思い返す。



なんて残酷なことを

してしまったんだろう…

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