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先生、駄目ですっ……

第20章 カテキョとお嬢様 最終章

「来てくださっていたんですね」

俺は胸の奥がチクリと痛む。

「当たり前だろ。他ならぬ君の成果の発表だ」

小宮山さんは屈託なく笑ってくれた。
それが余計に心苦しい。

「すいません……でした」

俺は謝るのが精一杯だ。

「なに……君が謝ることじゃない。ただ、娘も……悠希も見たかったろうな。君の晴れのこの舞台を」

そう言って少し悲しそうに笑った。

「今から……悠希さんに会いに行きます……」

「君は忙しいだろう? そんなことはあとからでも……」

「いえ。一番に言いたいんです……論文発表が大成功したことを……」

「そうか……ありがとう……」

小宮山さんはうっすら泣いているようにも見えた。


本来であればこの発表の前に結婚式をあげている予定だった。

「悠希……」

俺は花屋に立ち寄って悠希のもとへと向かった。

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