二人の未知〜X'mas短編
第1章 エピローグ
付き合ってても抱かれても奈美は俺のことを好きじゃなかったっ…
三年も付き合って、あんな顔を俺は今まで見たことがないッ
なんとなく付き合い始めたから、お互いの気持ちを確かめ合うなんてこともなかった‥
好きなんて言葉を言ったことも聞いたこともない‥
なんとなく部屋に行って
なんとなく‥肌を重ねた‥
この三年間、全てをなんとなく過ごした
「‥ふ‥‥っ‥バカじゃん俺っ‥‥
‥ッすっげー間抜け!!」
トオルはやり場のない気持ちで自分自身を罵るしかなかった…
──‥パク‥
「う〜んやっぱココのプリンは最高‥」
奈美はトオルの買ってきたプリンを食べ舌鼓を打つ‥そして、プリンを眺めながらトオルの言葉を思いだした
『近くまで来たから‥』
近く‥‥か…
『頑張れよ! 上手く行くように応援してやるからっ‥』
応援ね‥‥クス‥
トオルに応援なんかされたら上手くいく訳ないじゃん‥‥
「トオルのバーカ…」
奈美はボソっと呟きながらプリンのカップを指で弾いた