I'll be with you.
第13章 本当の自分
心君は観客席を見渡して、私達を見付けると優しく笑った。
「ですが、俺を育ててくれたのは紛れもなく今の両親です。
血の繋がりはなくとも、俺達は家族です。
どんなに非難されようとそれは変わりません
なので、そんなチンケなことであなたの気が収まるのなら、
勝手にほざいててください」
心君の言葉に拍手喝采
会場のみんなが心君の味方をしてくれた……
「ちなみに、俺は母さん大好きです♡
母さん見てますかー?俺テレビに出たよー」
……キャラ崩壊してるよ…
『心が壊れた……』
「心がこんなこと言うなんて……プッ…」
でも、心君は本当に強いと思った。
こんなこと言われて、私にも言えなかったことをこんなところでバラされて……
それでも自分の気持ちに押し通した心君は本当に芯の強い人だと思う。
「気を取直して次の質問にいこうと思います」
「はい」
司会者はさっきの屈辱を晴らすかの様に心君に冷たい視線を向けた。
「どうしてイギリスに?
高校はどうしたんですか?」
高校……
心君は私のせいで……
────一番聞かれたくなかった過去が暴かれる