I'll be with you.
第15章 元カノ
いつの間にか、歩いていたはずの俺らはその場に立ち止まりながら向き合っていた。
『……今日はもう帰るね…』
「……亜美?」
『……私…』
俺を見つめた亜美の瞳は、まっすぐに俺をとらえていた。
『……ううん。なんでもない!
それじゃあね!』
「……亜美?」
なんだろ……
俺の中で何かが葛藤して、なぜだか俺は自分がしていることに後悔していた。
だんだん小さくなっていく亜美の背中を見ながら、罪悪感と恐怖が俺を襲った。
……なんでもいいから早く……
優に会いたい……
信号が赤になり、その場で立ち止まりながら目の前にある光が青になるのを待つ。
「……優に会ってどうすんだよ…………」
優に会ってこのことを言うのか?
あいつがどんな性格かよくわかってる俺が?
「しっかりしろよ……俺…………」
お兄ちゃんだろ……
気が付けば
青い光は点滅して、すぐに赤に変わった。
俺は何もできずにその場に崩れた