I'll be with you.
第16章 折りたたみ傘
それから、夜も遅くなり遠方から亜美の両親が来た。
「亜美……!!」
『亜美ッ!!亜美…』
何度も名前を呼んで、亜美の手を強く握る両親。
……亜美、お前はバカだよ
こんなに愛されてるのに自殺なんか……
「みんな、悪いけど席を外してほしい……」
俺は、部屋の壁側にいるみんなに帰るように促した。
荷物を持って部屋を出ていくみんな。
その中で最後に挨拶して出て行こうとした心を引き止めた。
「……心…頼みがある」
「……?」
「しばらく優を預かってほしい……
俺は当分帰れそうにないから……
優を頼む」
「……当たり前」
心はそれだけ言って病室を出て行った。
扉が閉まるのを確認して亜美のご両親に一歩近づいた。
「すいませんでした。
全部、僕のせいです……ッ」
俺は深々と頭を下げた。