I'll be with you.
第17章 2度目の恋
「……なん…で……」
『目を見ればわかるわ。
奏斗は素直な優しい目をしてるもの』
初めて会ったときもあなたは泣いていたよね……
2度目に会ったときも……
私の目の前に現れるあなたはいつも本当の自分を見失ってた……
『奏斗を見失ったら私がまた見つけてあげる』
何度だって見付けて、
何度だって笑ってあげる……
『だから、怖がらないで……。
そんなあなたも全部引っ括めて” 奏斗 ”よ』
弱いところがあったっていいじゃない……
泣いたっていいじゃない……
一人でも自分をわかってくれる人がいたらそれだけで十分よ……
「……ふっ」
『……なに笑ってるのよ。
今いいこと言ったばっかりなんですけど』
「いや……そんなこと言われたの初めてだったから」
『……そんなこと言ってくれる友達もいないなんて……
はぁ…お気の毒……』
「……おい、コラ。友達は多いほうだけどー?」
そう言って満面の笑みで、楽しそうに笑う彼。
『本当に私が笑えば笑うわね……
気色悪い男……』
「本当口の悪い女だな……」
そう言って、同じ傘の中で言い争いしている私達。
すると、また奏斗が急に胸を押さえた。
『ちょっと…どこか悪いの?
やっぱり救急車を───』
「陽」
その声と同時に、私と奏斗の距離が0になった……