
I'll be with you.
第2章 その後のみんな
カナは、私の方を見てギョッとすると、私をあやすように頭を撫でた。
「あー、違う違う。俺らが嘘ついただけ
心を絶対に日本に帰ってこさせる為に嘘ついちゃった♡」
『は?』
「大変だったんだぞー。
携帯も解約してたから繋がらないし。
楓が雑誌で心を見つけてくれなかったら連絡すらできなかったし」
光輝君は、さっきまで絶対言わない気でいたくせに、ベラベラと喋ってきた。
なんだよ!教えてくれるなら最初から言ってよ!
胸の奥で1人で光輝君にツッコミを入れながら黙って話を聞いた。
ここでツッコミ入れたら話してくれないからね…
『じゃあ、どうやって……?』
「心がスカウトされた事務所に直接電話かけたんだ。
でも、心には繋げてもらえなくて……
雑誌に載ってた、心が働いてるレストランに直接連絡したんだ。
国際電話だけど俺ら頑張っちゃったよー」
「しかも、英語わかんないのなんのって。
大変だったなー。
でも、最終的にバイリンガルの心に電話変わってラッキーってなった」
……そんなこと私に秘密でやってたなんて
『なんで教えてくれなかったのよ!
私だって心君のこと心配してたんだから!』
すると、カナと光輝君は急に立ち上がって私を立たせた。
「「優へのサプライズ!」」
そう言って、二人は私の腕を引いたままバスを降りてカナの家へと向かった。
