I'll be with you.
第8章 約束の花火 2
「未来ならきっと” あの場所 ”にいるんじゃないか?」
心は何もかもを見透かしたように笑った。
未来があの場所に……
それだけで未来の想いが昔と変わらないことを教えてくれる。
「早く行けよ。
あれだけ美人なんだ。
酔っ払いに絡まれてるかもしれねーぞ?」
「……!!い、行ってくる!!」
俺の背中を押してくれた最強の男。
「心!!」
やっぱ、お前はすげぇよ
「お前がいてくれてよかった!!」
母子家庭の俺にとって
お父さんってどうゆうものかわからねーけど
きっと、心のような優しさがお父さんなんじゃないかなって思う。
いつだって、俺のお父さんは心だったから
「行ってこい!」
軽く手を上げて笑顔で俺を見送る心。
その隣に、俺にとって特別な女の子
「優!!」
俺に初めて人を好きになるってことを教えてくれた優に伝えたいことがある。
「本当に好き” だった ”!!
ありがとう!!」
この気持ちに嘘はない。
3年前とは違い、確かな想いが俺にはあった。
俺の告白にあからさまにイラッとした心と、恥ずかしがりながらも笑顔を作る優に見送られながら
あの場所へと走り出した。