ソウル・雨─AtoZ.
第4章 雨の午後─
チャンミンの指も熱くなった。 指は喉奥の熱さに誘われるように更に、差し込まれる。…ユノの舌がそれを小蛇の動きで、絡め捕る。「咬んで…良いのに」耳朶を口で挟みながらチャンミンは呟く。「指の一本や二本、どうということないのに─」紅くなった耳元に「…優しいから、─ユノは」髪を梳くように触れた。「ね。…ユノ」小さい声で、訊く。「雨まだ…降ってる─かな」緩やかに体を抱きしめながらまた指を口の隙間から、差し込む。口の中でチャンミンのほっそりした指はユノの喉奥からの熱い迸りを受けた。「…ユノ。もう?─」両膝を強く合わせるように後ろから、締めつけた。…同時に口の中から全ての指を一気に引き抜く。ユノが背中を小刻みに震わせながら声を、上げる。まるで最愛の者の命が消える瞬間のような、慟哭に似た響き─。…荒い息を吐く唇を眺めながら「ライブより、良い声ですね」 ─優雅な動きで体を起こした。「タオル持って来ます」ソファの隅に投げ出された手を取ると、口づけた。口づけた手の甲は、火照っていた。
「ユノの体、まだ熱い…」云いながら指に軽く歯を当て、手を離し、リビング・ルームを出る。 …ドアが閉まる。もう夕暮れ時だった…─
「ユノの体、まだ熱い…」云いながら指に軽く歯を当て、手を離し、リビング・ルームを出る。 …ドアが閉まる。もう夕暮れ時だった…─