ソウル・雨─AtoZ.
第4章 雨の午後─
…何か云いたげな口元。言葉を無くして震える。「ローマの皇帝は、…さっき読んだ本に─」
云いながらゆったりと動き、少し震えているユノの背中に覆い被さる…。「絶対の権力で─ローマ世界を支配して…」首筋に顔をうずめる。爪先を微かにユノは動かす─痙攣したような蠢きだった。「でもユノは…ローマ皇帝以上だ…」乱れた髪に熱い息を吐きかける。「ひとことの命令もしないで、─自分の思いどうりに…」溜め息が、漏れる。「あ─ユノそんな…動かないで」チャンミンの唇が綻ぶ。「熱い…。煮えたぎってる─」耳元に唇を触れて「─僕のが…保たない」きつく、ユノは唇を噛む。「ね、…ユノ…」剥き出しの肩に唇を移して「そんなに唇噛んだら、血が出て─」額に垂れかかる髪を掻き上げてやる。「声出したら?」…小さなため息。「プライド高いからユノは…」体を押しつけるように、後ろから抱きしめた。「そういうところが…好きだけど」─固く目を閉じたユノに「でもプライドって高くつくもので…」繊細な指先が噛みしめられた唇に伸び、そっとなぞる。「ユノも、そんなこと分かってる…でしょう」指が無理に抉じ開けた口に捩じ込まれた。「熱い…口の中も─」
云いながらゆったりと動き、少し震えているユノの背中に覆い被さる…。「絶対の権力で─ローマ世界を支配して…」首筋に顔をうずめる。爪先を微かにユノは動かす─痙攣したような蠢きだった。「でもユノは…ローマ皇帝以上だ…」乱れた髪に熱い息を吐きかける。「ひとことの命令もしないで、─自分の思いどうりに…」溜め息が、漏れる。「あ─ユノそんな…動かないで」チャンミンの唇が綻ぶ。「熱い…。煮えたぎってる─」耳元に唇を触れて「─僕のが…保たない」きつく、ユノは唇を噛む。「ね、…ユノ…」剥き出しの肩に唇を移して「そんなに唇噛んだら、血が出て─」額に垂れかかる髪を掻き上げてやる。「声出したら?」…小さなため息。「プライド高いからユノは…」体を押しつけるように、後ろから抱きしめた。「そういうところが…好きだけど」─固く目を閉じたユノに「でもプライドって高くつくもので…」繊細な指先が噛みしめられた唇に伸び、そっとなぞる。「ユノも、そんなこと分かってる…でしょう」指が無理に抉じ開けた口に捩じ込まれた。「熱い…口の中も─」