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夜が明けても傍にいて。

第12章 二人は恋人

その日の夜、慎也は約束通り来てくれて
初めて一緒に私が作った料理を食べた。


「ねぇ慎也、美味しい?」


「あぁ、旨いよ。」


秋刀魚の塩焼きに大根おろしを添えて
他には肉じゃが、枝豆としらすの和え物

根菜をたっぷり入れたお味噌汁とご飯。


いつも食べているものだけど、好きな人と食卓を囲むって…すごく幸せ…。


こんな日が来るとは思ってもいなかった。


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ベッドの上で腕枕をされながらまったりしている時だった。


「なぁ、莉菜?」


「ん?」


「俺、来月に入ってすぐ出張があるんだ。」


「...どのくらい?」


「1週間だ。」


「えーーー、1週間も会えないの?」


「寂しいか?」


「うん、寂しい…。」


「俺も、寂しいよ…。」


そう言って頭を優しく撫でてくれる。




「一人で行くの?」


「---いや、本社の奴と…だ。」


歯切れの悪い慎也に女の直感が働いてしまう。


「愛花さんも…一緒なの?」


「---いや。ただ…俺が不在の間
愛花が俺の代役を務める。」



...ってことは、

その間課長の席に愛花さんが座って
愛花さんに仕事の指示をされて

1週間も課長の元カノの顔を見なきゃいけないの?




「やだ…。

そんなのやだよ…。」

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