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夜が明けても傍にいて。

第14章 課長のとなり

「莉菜ちゃん…?」


幸太はその後は何も言わずに私を抱き締めてくれていた。


気持ちが落ち着いてくると玄関に立ちっぱなしだった幸太を部屋の中へ通した。


「莉菜ちゃんこれ…一人で飲んだの?」


テーブルの上に並べてある空き缶を見て幸太は驚いている。


「...うん…。」


「莉菜ちゃん、仕事辞めないよね?」


「うん、やる気が無いわけじゃないの。

だけど、どうしても課長と愛花さんのことが頭から離れなくて…。」



「もしかして、聞いたの?

キスの、こと…。」


幸太はためらいながら口にしたそれに、私はコクっと頷いた。



「それって本当に…課長と月下さんだったのかな?」


「え?」


「警備員の見間違いなんじゃないかと思って…。」


「フッ…、幸太は優しいね。」


「いや、だってさ…彼女がいるのに他の女とキスなんてあり得んしょ。」




「愛花さんが、本命なのかも。」



「...え?」


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