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夜が明けても傍にいて。

第17章 合鍵

朝からパソコンに打ち込む指は軽快だった。
今朝までのことを思い出してニヤニヤなんてしていられない。


仕事は責任持ってやらなきゃ。
と何度も緩む自分の顔に喝を入れた。


課長に見られたら飽きれられちゃうよ…。


幸せな悩みだなと思いながらも気分を入れ替えにカフェラテを買いに自販機へ行った。



その帰り、廊下を歩いている時だった。





!!!!!






廊下に面している給湯室から急に手が伸びてきて一瞬のうちに私はその手の持ち主に抱き締められていた。











「し、しんや…どうしたの?」


会社でこんなことするなんて。
しかもいつ誰が通ってもおかしくないのに。



「やっぱり、今夜…行く。」


「え?」


「ダメか?」


「ダメなんかじゃないよ…だけど、ゆっくり寝なくて大丈夫?」


「あぁ、大丈夫だ。」



「慎也…急にどうしたの?」



「石田…なんて?」


「え?」


「今夜の用件は何?」


「...まだメール来てないから…。」


「…。」



「課長?」


「…。」








「課長のそういうところも好きですよ。」


「うるせー。」

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