テキストサイズ

夜が明けても傍にいて。

第17章 合鍵

こういう時、嘘をついた方がいいのだろうか…。


「あのね…?」


---幸太から夕方送られて来たメールの内容はこうだった。


“莉菜ちゃんお疲れ


莉菜ちゃん、何かいいことあった?
顔が緩みっぱなしだから気をつけて(笑)


とにかく元気になって良かった。


泣きたくなったらまた俺の胸貸すから
いつでも言ってね。

あの時みたいにいつでも飛び込んで来て!!”





「顔が…顔が緩みっぱなしだから気をつけてって…。」


「それだけ?」


「うん…それだけ。」


「---そんなことだけでメールしてくんのかアイツは。」


「...あ、ねぇ慎也はメールしないの?」


「あまりしねぇな。電話の方が早いし…。」


「でもね、文章にするのもいいもんだよ?」


「そうか?」


「ねぇねぇ、今私にメール送ってみてよ。」


「はぁ?何で?何のために?」


「何でって…私が嬉しいから。
他に理由がいる?」





慎也は面倒くせぇ、だのなんだのって言いながら私に背を向けてメールを打ち始めた。


何て打ってくれるんだろう…。
楽しみ楽しみー。

ふふふっ。


♪~♪~♪


来たー!!!




がっついてメールを開くと



ん?




慎也からの初メールはこうだった。












“石田うぜぇ。”

ストーリーメニュー

TOPTOPへ