テキストサイズ

夜が明けても傍にいて。

第4章 あなたの名前と私の名前

それからはいつもの私らしく仕事をした。


課長のことは会社に居る時は考えちゃダメ、
自分に言い聞かせてパソコンをカタカタ打ち続けた。



ふと聞こえてきた会話に指が止まる。

「歓迎会7時だってよ。」

「俺、気が進まないんだけど。」

「俺も。」

「やめとく?」


---そんな会話を聞こえる大きさでしないでほしい。


そう思っていると


「来たくない奴は来なければいい。

俺も歓迎されてるとは思ってないし、歓迎されたいとも思わない。」


---空気が凍りついた。


北崎課長は地獄耳だ。




「俺は行きます、俺は北崎課長を歓迎してます。」

そう言ったのは幸太だった。


「俺だけじゃない、コイツもです。
だから歓迎会も参加します。」


!!!こ、こ、コイツ?って私?

幸太が私の肩に手を置いている。


私は行きたい。
どんな風に職場の人と飲むのか知りたい。
もっといろんな課長を知りたい。



---だけど、課長が嫌じゃ無いかな...?


不安に思っていると



「そうか。来たい奴だけ来ればいい。」

課長が言った。



---“そうか”


拒否はされてないって思ってもいいの?




ストーリーメニュー

TOPTOPへ