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夜が明けても傍にいて。

第25章 溺愛の症状。

「俺が、街で泣いている莉菜さんを見掛けて一目惚れしました。」


「まぁ、莉菜は可愛い過ぎるからな…。一目惚れするのはわからなくもない。


でも、それで声を掛けたのか?」


「はい…。」


「それは、ナンパってやつじゃないのか?」


「…ナンパなのかもしれません…。」


「北崎君はよくナンパするのか?」




「しません!後にも先にも莉菜さんだけです。」


「…。」




---まずい。


お父さんはナンパが大嫌いなんだ…。



「お父さん、聞いて?!」


「お前は黙ってろ、今は北崎君と話してるんだ。」




---お父さん…。




テーブルの下で両手を握りしめたその時、





慎也の右手がそこに伸びてきて上から包み込むようにぎゅっ、と握った。



まるで、“大丈夫だよ”って言ってくれているかのようだった…。







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