夜が明けても傍にいて。
第5章 切ないオフィス
コーヒーを買ってオフィスに戻ると課長のデスクへ向かった。
周りの人に、見られたら恥ずかしいから出来る限りヒールの音を鳴らさずに静かに近付いた。
「北崎課長。」
課長がゆっくりとこちらを見た。
「これ...差し入れです。」
一本のコーヒーを差し出した。
課長は、すぐ目を反らしてしまったけど
「あぁ、サンキュ。」
---受け取ってくれた!
思わず満面の笑みがこぼれた。
--ふふっ、と口から漏れそうになるのを堪えて自分のデスクに戻ろうとした時
「宮西。」
課長に小声で呼ばれて振り向いた。
相変わらず目線はパソコンの画面を見ているけど
「お前の趣味は盗み見か?
ぼーっとしてないでしっかり働けよ。」
そう言って右側の口角をちょっとだけ上げた。
「はい!頑張ります!」
私の声は響いていた。
だって、こんなに嬉しいことないもん。
けして褒められた訳じゃないのに
私はヒールの音をカツカツ鳴らして席へ戻った。
課長の仕事が早く終わりそうなら
今日は電話してみようかな...。
勇気が湧いてきた。
周りの人に、見られたら恥ずかしいから出来る限りヒールの音を鳴らさずに静かに近付いた。
「北崎課長。」
課長がゆっくりとこちらを見た。
「これ...差し入れです。」
一本のコーヒーを差し出した。
課長は、すぐ目を反らしてしまったけど
「あぁ、サンキュ。」
---受け取ってくれた!
思わず満面の笑みがこぼれた。
--ふふっ、と口から漏れそうになるのを堪えて自分のデスクに戻ろうとした時
「宮西。」
課長に小声で呼ばれて振り向いた。
相変わらず目線はパソコンの画面を見ているけど
「お前の趣味は盗み見か?
ぼーっとしてないでしっかり働けよ。」
そう言って右側の口角をちょっとだけ上げた。
「はい!頑張ります!」
私の声は響いていた。
だって、こんなに嬉しいことないもん。
けして褒められた訳じゃないのに
私はヒールの音をカツカツ鳴らして席へ戻った。
課長の仕事が早く終わりそうなら
今日は電話してみようかな...。
勇気が湧いてきた。