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夜が明けても傍にいて。

第30章 夜が明けても傍にいて。

慎也は私が家に居ることで安心して仕事に集中できるらしい。


外に出るのは買い出しの時と美穂とランチに行く時くらいだ。


それなのに慎也は、仕事から帰って来ると私に今日は何をしていたか聞いて来る。


知らない人が来ても絶対に鍵を開けるなよ、は最早慎也の口癖だ。


それ程にまで心配してくれるのはすごく嬉しいのだけれど…。


……………………………………………

……………………………。



「莉菜、何だこれは。」


慎也は帰宅するなり台所にある大量の野菜を見て眉間に皺を寄せた。


「あっ、それは…お隣のご主人が…。」


「あ?」


「沢山収穫したからどうぞってご丁寧に…。」


「家に上がったのか?」


「だって…。そんなに沢山持てないもの…。」


「チッ……、

莉菜、そこに座れ。」


「…はい…。」


私はソファーの上に正座した。


「いいか?いくら隣のご主人が結婚してるからって莉菜に下心が無いとは限らないだろ?」


いやいや…無いでしょう…。



「女性が一人で持てない量をわざと届けてるって可能性だってあるだろ?」


……そこまで考えるかなぁ…。


「莉菜!」


「い、痛いっ!」


慎也は私のほっぺたを摘まんでいる。



「何かあってからじゃ遅いから言ってるんだ。

心の中で俺の話を否定しやがって。」



バ、バレてた…?


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