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夜が明けても傍にいて。

第5章 切ないオフィス

かすかに耳に残る慎也さんの声。


“泣き虫”



------夢を見ていたのだろうか...。




今朝もまた一人で朝を迎えた。


今まで抱かれた中で昨日が一番激しくて
昨日が一番優しかった。


抱かれる度にそう思ってしまう。


例え、“面倒くさいこと聞くなよ”って
言われたとしても


どこかで期待せずにはいられない。








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「全く理解不能なんですけど。」


でしょうね...。


「あれ程釘を刺したのに。」


確かに...。



その日、約束通り美穂とランチをしていた。
相手が課長だということは伏せてだいたいのことは話した。


「もう、電話するな。二度と会うな。」


わかった?!と、
美穂は怖い顔でラザニアをフォークでぶっ刺した。


---それができるならこんなに悩んでない。



「莉菜...もし、奥さんや子どもが居たらあんた本当に地獄行きよ?

せめてそれくらいは相手に聞きなさいよ。


どんなに好きだって
どんなに前に進みたくたって


相手が結婚してたら


諦めなさいよ。」

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