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夜が明けても傍にいて。

第5章 切ないオフィス

自分でも呆れるくらい溜め息の多い午後だった。


「莉菜ちゃん、ちょっとこれやっといてくれる?急ぎなんだけど俺、これからもう一件外回り行かなきゃいけなくて。」


「いいよ、任せて。」


幸太にそう頼まれ、やっと溜め息をつく暇も無くなった。


今日も少し遅くなっちゃうかな...?


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定時になり、美穂や、他の社員も徐々に帰って行った。


課長は席を外したまま戻らない。
幸太も、遅いな...。


オフィス内に私一人しか居なくなってからやっと幸太が戻って来た。


「ただいま、莉菜ちゃん。
遅くなってごめんね。」

「幸太、おかえり。」

「頼んでたやつ出来てる?」

「うん、確認してほしいんだけど。」


私が座っている後ろから幸太がパソコンの画面を覗き込む。


「どうかな?」そう聞いて横を向いた時
幸太の顔が真横にあってドキッとした。


至近距離で目が合い、幸太の顔が一気に赤くなる。


そして少しの沈黙の後幸太が口を開いた。






「ねぇ、莉菜ちゃん、



北崎課長のことが...好き?」




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