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夜が明けても傍にいて。

第5章 切ないオフィス

「--どうして?」


「莉菜ちゃん、北崎課長が来てから
ちょっと違うっていうか--


北崎課長のことばかり見てるだろ?」


「......。」


「歓迎会の後泣いたのも北崎課長と何か関係があるんだろ?」


---図星過ぎて返す言葉が見つからない。



「違うって...言ったら?」


「違うわけないよ。俺がどんだけ莉菜ちゃんのこと見てると思ってるの?


莉菜ちゃんが課長のことを見てるのと同じだけ

俺も莉菜ちゃんのことを見てるっつーの。」



「幸太...。」



「俺、未練がましいよな?
一度振られてるのにさ。

でも、わかるだろ?莉菜ちゃんになら

諦められない気持ちが。」


---うん。

わかっていても気持ちが止まらない。




「俺は、課長のことを尊敬してるし
莉菜ちゃんのことも応援したい。


どうして付き合いの長い俺じゃなくて

ついこないだ来た課長を好きになったのかは全然理解できないけど。


まっ、俺に魅力が無いってことか。」


そう言って笑った。





「一人の人間として



幸太のこと...好きだよ。

かっこいいし、仕事はできるし、優しいし
信頼できる。

幸太が同僚で本当に良かった。」




「サンキュ。」












笑い合った二人の
穏やかな空気が一変する。


















「お前らいつまでそうしてるんだ?」

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