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夜が明けても傍にいて。

第6章 近くに居たい。傍にいたい。

“グサッ”


美穂が持っているフォークで今日はハンバーグでもラザニアでも無く、私の心臓をぶっ刺された気がした。



始まらないまま終わる...
そんなの望んでる訳じゃない。


だけど、課長に嫌われることが一番怖いの。


それならただ
あなたの近くに居たい。


あなたの傍に居たい。


そう願うのは

いけないことですか?


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すぐに電話をする勇気も無く、
しばらくは掛けなかった。


仕事をしている時の北崎課長はいつもと全く変わらなかった。


話すこともなく目が合うこともなく
私は課長不足で寂しかった。


会っても苦しくて
会わなくても苦しくて


完全に恋の病にかかっていた。









あれから10日程経って


私の24歳の誕生日の夜



勇気を振り絞って電話を掛けた。

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