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夜が明けても傍にいて。

第6章 近くに居たい。傍にいたい。

あの日からまともに顔を見ることも話すことも無かったからちょっとだけ気まずい。


だけど、

「飲み足りないから一本だけ飲ませて?

お前も飲むか?」


ってあなたがいつも通りカシスオレンジとジントニックを差し出すから

すぐに気まずさなんて消えてしまった。


私はカシスオレンジを選んで手に取った。


「じゃ、乾杯するか。」


「--うん...。」




「どうした?」

缶を両手で握ったままでいる私にあなたが問う。






「私...今日、誕生日なんです。


24歳になりました。」



「......。」






まさかの無言...。








「エヘ...そんなこと

課長にしたら、どうでもいいですよね?


ごめんなさい。



かんぱーい!」


無理矢理笑顔を作って
課長の手にしているビールに自ら缶を“コツン”と合わせた。





おめでとうくらい言ってくれてもいいのに。




できるだけ上を向いて溢れてくる涙がこぼれ落ちないようにした。



面倒なことを言う上に泣いたりなんかしたら



終わってしまう。





誕生日だなんて...


言わなきゃ良かった。








そう思っていると




















「悪かったな。」







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