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夜が明けても傍にいて。

第7章 上司として?男として?

私は余計なことは言わずに首を横に振った。


「無視した方がいい。」

「---うん...。」

幸太にそう言われ電話を鞄の中に入れた。




あんなに好きだった元彼なのに
電話が来る今日まですっかり忘れていた。


課長の存在が大きすぎるから...。


課長と幸太は並んで歩きながら仕事の話の続きをしている。


私は二人の後ろを歩きながらぼーっとしていた。

信号待ちをしてることに気が付かなかった私は


“ドンッ”


課長の背中に激突してしまった。



「莉菜ちゃん大丈夫?」

先に幸太が心配の言葉を掛けてくれる。



課長は振り返った時、驚いた顔をしていたけど


「大丈夫か?

俺にカツを一切れ取られたことがそんなにショックだったのか?」


クックックッっと喉を鳴らして笑った。



「ちが、違うし!」


慌てて否定する私に





「フッ...冗談だ。


あんまりぼーっとしすぎて怪我すんなよ。」



そう言って私の頭の上に手を置いて
ポンポンと、してくれた...。





幸太が見てるのに...。

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