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夜が明けても傍にいて。

第2章 出逢い

タクシーに乗り込むと
彼が「住所言って?」と言うので

私は促されるまま運転手さんに自宅の住所を告げた。



それにしても...
すごく綺麗な顔。


隣に座る彼の横顔をマジマジと見てしまった。

こんなに綺麗な顔をした男性を見るのは初めてかもしれない。


そう思っていると彼がこちらをチラッと見て目が合い、露骨に反らしてしまった。


彼はフッ、と笑ってまた目線を前方に戻した。



---恥ずかしい。

絶対今、顔赤い...。
軽い女だって思われてるかな?


だからってこんなこと初めてですからなんてわざわざ言うのもおかしいし...。


こんなことって何?
私、何を考えてるの?




「って、おい!」



---へ?



「お前、さっきから顔真っ赤だぞ?
大丈夫か?」


彼の右手が私の頬に添えられた。
その手のほどよい冷たさが気持ちいい。



私はアルコールには強いし
今夜だってそんなに飲んでいない。


頭がクラクラするのはお酒のせいなんかじゃない。


きっとあなたに




「酔っちゃったみたい...。」

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