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『好き』の重さ

第9章 再会、そして…

『もしもし…』

聞き覚えのある低い声…

落ち着いて大人びた声色が私の胸を高鳴らせた


「芝田さん!?

約束の日にち…今日でしたよね!?」


やっとそれだけを言った私…


次の言葉を聞くのが怖くて、きつく瞼を閉じていた


『ゴメン…
………行けなくて…』



聴こえてきた言葉に息を飲んだ…


今…


行けなくて…って聴こえたみたい…



指先が震え…

頭の中が真っ白になる…


通りを走る車の音と

誰かの笑う声が

電話の向こうから聴こえてきた…


もしかして…
他の誰かと一緒なの?


不安がよ切り、泣きたくなってくる…



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