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『好き』の重さ

第9章 再会、そして…

もう直ぐ会ってから、2時間になろうとしていた


「もう…ここ、出る?」


「う……うん…」


ワインのボトルが空になり、深い赤色の液体も…
グラスの底を染めるだけ…

名残惜しげに、私は…


グラスに残ってたワインを飲み干す――


立ち上がろうとしたら、ホンの少しよろけた


「大丈夫?駅まで送るよ」


たった2時間会って終わり?
寂しくて…
俯いて唇を噛んだ…


本当は…
『帰りたくない』って言ってあなたの胸に飛び込みたかったのに…


財布から会計の半分を取り出して手渡す


以前もそうだったように、一枚だけ引き抜いた。


「ご馳走さま!!
僕も君にご馳走になった証拠に、これだけは頂きます」


いつも1000円だけしか受け取らないけど、そんな意味が有ったんだ。


気遣いが嬉しい…



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