『好き』の重さ
第14章 赤い糸
朝目覚めると…
芝田さんの腕枕と広い胸に包まれていた
重かっただろうに一晩中腕枕をしてくれていたのだろうか…
微睡みながらそっと身体を離れようとした
が…背中に廻されていたもう片方の腕に引き戻された
「離れたらダメだよ…」
目を閉じたままの彼が囁く
「起きたの?
重いから離して…」
「重のはひとみでしょ?」
「…………?」
理解できずに無言で顔を見た
「僕の気持ち…
重くない?」
「え…」?」
「愛してる――って…
言ってしまった…」
「あ……!」
聞き間違いか空耳だと思っていた言葉は本当だったのだ