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『好き』の重さ

第4章 本気!

本当はね…


もう少し早く出会って、あなたの奥さんよりも早く出会って――


あなたの"かみさん"になりたかった…





なんて…絶対に言えない。

やっぱり早く忘れよう。


決意して、泣きそうになる自分を必死にこらえて唇を噛んだ。


その瞬間!


マスターと話していた彼の手が、膝の上で握り締めていた私の手を掴み、指を絡めてきた!


「あっ……」



今しがたの決意が瞬く間に崩れ去った。


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