愛してください~BL短編集~
第5章 年下じゃ、ダメ?~龍也×遙~
俺はフラフラと廊下を歩いていた。
あの人を失った時と同じだ。
俺が俺じゃなくなる。
何も見えない--------。
「南雲(ナグモ)......。
俺を....おいて行かないで.....。」
「遙先輩!!!」
俺は足を止めた。
気がつかなかった。
目の前は階段だった。
龍也が声をかけなかったら俺は階段から落ちていただろう。
それでもよかったのに....。
「はっ、はぁ...どうしたんですか!?今日の先輩おかしいです。」
「....俺は...おかしい、か?」
「場所、変えましょう。」
龍也はそう言うと俺の腕を掴み、スタスタと歩き出した。
似てるな。
俺は話せるだろうか。
話していいのだろうか。
南雲。