
地下病棟の秘密
第21章 支え
絢子「…」
雪雄に呼ばれている
早く行かなければ怒られ殴られる
重い足を引きずるような思いで病室へ向
かった
だけど途中
何度も足を止めた
絢子「…もう…本当にいや…」
限界だった
絢子「…」
その場にひざまづき
声を押し殺すように泣いた
泣かないと決めていたのに一度泣いてし
まうと
止まらなかった
涙を止める事は出来なかった
絢子「…!!」
高戸「絢子?お前…」
絢子「…ぐすっ…何でもありません」
高戸「…」
絢子「…!?」
両手で涙を拭い
その場から去ろうとした絢子
だけどその一瞬で絢子の異変に気づいた
高戸は
絢子の腕を掴み
離そうとしなかった
高戸「…」
絢子「はっ…離してください…私…早く
仕事に戻らなきゃ…」
高戸「ダメだ」
絢子「離してよ…お願いだから…」
高戸「…」
