テキストサイズ

地下病棟の秘密

第4章 何もしないから



曽根川「俺さ…俺…会社でいじめられて
たんだ」

絢子「いじめ?」

曽根川「まさか社会人になっていじめら
れるとは驚きだけど…」

絢子「…」


冷静に坦々と
自分の過去を話す曽根川
だけどその声は絢子を抱きしめる腕は
微かに
震えていた


絢子「辞めようとは思わなかったんです
か?会社…」

曽根川「思ったよ、何度も思った、だけ
ど生活の事考えるとね…」

絢子「…」

曽根川「だけどやっぱり辛くなって…気
づいたら病院のベッドの上だった」

絢子「それって…あの…」

曽根川「故意ではないけどきっと…きっ
と考えたのかも…このままって」

絢子「…」


階段から落ちたのは偶然だった
故意にした事ではない

だけど本心では望んでいたのかしれない
このまま死ねたらって…


絢子「…私も…私も一緒です…」

曽根川「一緒?」

絢子「私、看護師だけど…患者さんの命
を助けるのが仕事だけど少し前に辛い事
があって自殺しようとしたの…」

曽根川「看護師さん…」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ