
地下病棟の秘密
第6章 夜の散歩
祐樹「…」
絢子「美味しくなかったですか?」
祐樹「え…」
絢子「プリン、一口しか食べてないから
美味しくなかったかなって…」
祐樹「そんな事、あ!!」
絢子「あぁ」
利き手じゃないからか
スプーンを落としてしまった祐樹
食べていたプリンも逆さまに落としてし
まい
落ち込んだ様子の祐樹
だけど本当は…
絢子「ハンカチ使ってください」
祐樹「…」
絢子「祐樹さん?」
祐樹「…絢子さんはどう思ってるんです
か…」
絢子「えっ?」
祐樹「今の…仕事…」
絢子「…」
祐樹「本当は嫌なんですよね?だから…
だから嘘ついたんですよね」
絢子「それは…」
祐樹「俺、兄さんに頼みます、他の科に
移動出来るように、だから」
絢子「私なら大丈夫、大丈夫だから」
祐樹「だけど」
絢子「内容はどうあれ私は患者さんの力
になりたいんです、それが看護師の仕事
だから…」
祐樹「仕事…」
